シャフトは歯車装置の中で、買い手が最も軽視しがちな部品です。歯車の歯形が完璧に切れていても、それを支えるシャフトの公差が外れていれば、組立品はがたつき、過熱し、数週間で故障します。図面の g6、k6、H7 のような記号は、意味が分かれば決して難しくありません。それを理解しているかどうかが、スムーズな問い合わせと何日も続く確認メールの分かれ目になります。
ギヤシャフトの加工は決まった順序で進みます。まず CNC 旋盤で段付き部、外径、逃げ溝、端面を加工し、強度や耐摩耗性が必要な用途では熱処理を行い、その後ユニバーサル外円研削盤で軸受座と歯車座を厳しい公差等級まで研削し、最後にキー溝やスプライン、ねじを加工して、真円度・円筒度・振れを検査します。各工程が次工程の取り代を残すため、公差の記載がないシャフト図面は「スケッチだけで」見積もることはできません。
公差記号ははめあいの言語です。図面で Φ35H7 は歯車やプーリの内径を表し、Φ35k6、Φ33g6 はシャフトの座を表します。アルファベットが公差域の位置、数字が等級を示します。H7 穴は圧入・中間ばめの標準、k6 座はトルクを伝達する歯車に適した軽いはめあい、g6 座は軸受向けのすきまばめです。同じ記号が両部品に現れれば、加工者はその組が手組みなのか、圧入なのか、焼ばめなのかを即座に判断できます。
研削こそが厳しい等級を実現可能にする工程です。g6 は全径で数ミクロンの偏差しか許されず、量産でそれを維持できるのは円筒研削だけです。研削は焼入れによる変形も修正し、真円度・円筒度・振れが実際に管理される工程でもあります。旋削のみのシャフトが g6 や k6 を満たすことはほとんどなく、図面上の公差記号は工程チェーンを前もって教えてくれます。
買い手が確認すべき質問は、問題を早期に見つける質問です。どの座が軸受はめあいでどの座が歯車はめあいか、シャフトを焼入れするか、深さはどれだけか、どのキー溝やスプラインが機能部か、歯車座と軸受座の同軸度が重要か。これらを記した図面を供給元に渡すか、はめあい等級を伝えるだけで、見積もりの推測要素はほぼ消えます。
当社工場では、CNC 旋削、キー溝・スプラインのマシニング加工、g6/k6 座の円筒研削、出荷前の全寸法検査まで全工程を自社内で完結しています。はめあい等級を記したシャフト図面をお送りください。24 時間以内に工程チェーンを確認し、見積書をお出しします。
